本文へ移動

BLOG

塩原の sum ができるまで

2020-07-31
sum 塩原ができるまでのことを、時々ご紹介できればいいな。と思います。
すべての場所が、たくさんの方の手作業により出来ています。感謝の気持ちを込めて、時々、お話しします。

古門戸 sum との大きな違いは、
お店に入ってすぐの「階段」だと思っています。

塩原 sum となったこの建物。
古い古い住宅でした。
それが倉庫としてボロボロで、埃だらけで、かろうじて使われていました。
この場所を何度か見て、お引越しを決めたとき「階段」は作る予定にありませんでした。

この建物の特徴の中で、「使えるもの(残すもの)」と、「使えないもの(変えたい場所)」を頭の中で考えた時に、この60cmの高い段差は、一番「困ったもの」だったんです。


想像できるかしら、
そう、昔の八百屋のような、表が小さい商店で段差を上がったところから奥は自宅。
店先から「おばちゃ〜〜〜ん!いる〜〜〜?キャベツちょうだ〜〜〜い!」と言うと、
うっすらテレビの音が聞こえる奥の部屋から「は〜〜〜い」とおばちゃんが出て来て野菜をざざっと新聞紙に包んで、もちろんロゴなんて入ってない白いビニールに入れてくれる。
レジも無く、プラスチックのザルが下がっていて、そこにじゃらっと小銭が入っている。そこからざざっと雑に確実なお釣りを手渡され ありがとね。って。
(あら?この時代を知らない人もいるわよね。)

そんな子供時代を思い出すような作りの古い建物だったんです。


こんな段差、いらないわ〜〜〜〜
高すぎて一息ではのぼれないし、
店内に階段?スペース ロスだし、無い方が良いに決まっている!低い場所に合わせてフラットに削る!
それが大前提の契約でした。

それがなんと、削れない。(そんな予感はしていたのよね。)

何かしらの、階段・・・段差・・・嫌だった階段を作るしか無いことに。

さてどうしよう、 小学生が「住みたい家」と落書きをするように何パターンも間取りを書く私。
内部の柱から柱までを何メートル何メートル、と測り、なんとなく均等に縮尺して、ここにこの棚を置いて、、、あっ、この柱が邪魔だな〜〜〜!
え〜〜〜これじゃぁ人が通れない、、、、え〜〜〜〜え〜〜〜〜え〜〜〜〜〜!!!
笑っちゃうでしょう、
こうして sum の間取りはできたのですよ。

店内に「階段なんて絶対いや!」と思った私。
「そんな私が納得する階段は?」と考えました。

そうして考えたものを、次は職人さんがカタチにしてくれます。
「こんな感じ。(絵と言えない絵を見せて)」
「これくらいかな〜〜〜。」
私のぼや〜〜〜んとした説明を受けとめてくれ、作り上げてくれました。


作業後、職人さんとの会話で、
「変なカタチで作りにくかったでしょう。すみません。」
「いやーーー!この仕事をしてきて、こんな階段作ったことがなかったから楽しかったです。」

なんて素敵なこと!!
作っていただいて、
大変なんだろうな〜〜〜、めんどくさいだろうなぁ、、すみませんねぇ。と思っていた私にすごいプレゼントのお言葉です。
だいぶ年上の、おじちゃん職人さんから楽しかったなんて聞けると思っていなかった。
とっても嬉しかったんです。
私がこの階段をもっと好きになった理由。

とても気に入っています。
植物が並んでも良し。腰掛けても良し。
膝のストレッチに使っても良し。



sum 塩原ができるまで
階段編 / 左官さん編 でした。
TOPへ戻る